普段はあまり日本映画を観ないのだが「もらとりあむタマ子」が面白かったので、周辺の作品にも少し手を広げてみた。
という訳で今回は、これから観る人の参考にもなり、既に観た人の参考にもなるように気を遣いながらのベスト3である。
まず第三位!
星野源「季節」!
これはエンディングで流れる曲である。
この映画は音楽や台詞が少ない点に魅力があるので、最初はやや「台無しだな」という気もしたのだが、二度三度と聴いてみると、結構いい曲に思えてきた。
もともとサケロックをさほど好きではなかったのでノーマークだったが、星野源のアルバムも聴いてみたい。
続いて第二位!
「苦役列車」!
「苦役列車」は同じ監督(山下敦弘)の一つ前の作品で「タマ子」では主演の前田敦子も出演している。
森山未來は「モテキ」で観た音楽雑誌の編集者役が印象的だったので、肉体労働者でひねくれた役は無理ではないかという気がしていたのだが、本当にぴったりした最低ぶりで、しかも共感を誘うような所もあるので実に感心した。
しかし「苦役列車」を先に観ていたら「もらとりあむタマ子」はおそらく観なかったと思う。
いよいよ第一位は!
市川準監督の「BU・SU」!
「もらとりあむタマ子」のDVD特典では初日舞台挨拶の様子が入っていて、監督や出演者がそれぞれ違う質問に応じていて見ごたえがあった。
そのやり取りの中でチラッと市川準の名前が出ていたので、急にこの映画のことを思い出してDVDで見直してみた。
何しろ1987年の映画なので、今の日本とは別の国のようである(ファッションや街並みなど今の台湾映画のような雰囲気)。
2014年から振り返る1987年は大抵「バブル真っ盛り!」的な扱いになっている。がしかし、クラス内のいじめや、主人公の倦怠感は今の日本とほとんど変わらないし、同時並列的に台詞が発せられる場面などは、むしろ今の3D映画よりも立体的な効果を挙げている。
「もらとりあむタマ子」には、まるで「BU・SU」の変則的な続編であるかのように見える部分もあるので(詳しくは書きづらいが)未見の人はチェックすべきである。