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三島由紀夫の「仲間」が収録されている文庫本のベスト3

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2015年は三島由紀夫の生誕90周年、かつ没後45年という年である。

 

しかし、世間的にはこの話題について、ひっそり閑としている……。

静か過ぎるほどに……。

 

そんな中、わが「何でもベスト3」では、微力ながらもネットの大海の隅っこの方で盛り上げていきたい!

という訳で、掌編といえるほど短い、かつ奇妙な作品「仲間」が収録されている文庫本を挙げてみた!

 

まずは、

 第三位!

 

三島由紀夫集 雛の宿―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)

三島由紀夫集 雛の宿―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)

 

 

三島由紀夫集 雛の宿」だ!

ちくま文庫の「文豪怪談傑作選」というシリーズの中の一冊!

 

 

戦後文学の華麗なる旗手・三島由紀夫は、実作と批評の両面において、現代日本の怪奇幻想文学興隆にも大きく寄与した天才であった。「仲間」「切符」「孔雀」などの怪談風短篇から、心霊小説としても異彩を放つ中篇「英霊の聲」、上田秋成柳田國男泉鏡花らへのオマージュ、出色の幻想文学論「小説とは何か」まで―「三島由紀夫による怪談文芸入門」と称すべき充実の一巻本選集、ここに誕生。

 

 

ちなみに筆者の場合「仲間」は吸血鬼の話ではないか?という誰かの煽り文句を信じて読んでみたのが切っ掛けだった!

 

 

お父さんは湿った古い大きな肩衣つきの外套を着て、僕もその小型のような外套を着ていました。僕はまるでお父さんの小型でした。そして霧の深い町を夜になるとあちこち歩きました。

 

 

正直な話、「怪談」かどうかは相当に微妙だとしか言えない!

 

 

続いて第二位!

 

殉教 (新潮文庫)

殉教 (新潮文庫)

 

 

新潮文庫の「殉教」だ!

死の直前に編まれた著者自選短編集の、9編中、最後の作品として「仲間」は配置されている!

 

 

この童話スタイルの一編の主人公は、化物の父子である。

 

 

と解説には書かれているが、化物にしては地味で大人しい存在だ!

 

 

ある晩のことでした。とうとう僕が失敗をしました。その晩の何十本目かの煙草ので、うっかり僕の煙草の火が、外套の裾に落ちて、そこを焦がしはじめ、僕は火を消しもせずに、うっとりとそれを眺め、その匂いを嗅いでいたのです。「おや、へんな煙草だぞ」とその人は煙の中からこちらを眺めて言いました。そしてあわてて、僕の膝をはたこうとしたので、僕は思わず冷たくあの人の手を払いました。お父さんは一部始終を見ていましたが、そばの花瓶の水をいきなり僕の外套にかけて火を消しました。あの人は、外套を乾かしてやろうと言いましたが、僕は断わり、又、笑わない蛙め、とあの人にからかわれました。どう言われようと僕は平気でした。

 

 

 

さあ、

いよいよ、

第一位は!

 

荒野より (中公文庫 A 12-3)

荒野より (中公文庫 A 12-3)

 

 

中公文庫の「荒野より」!!

小説・エッセー・評論、さらに戯曲まで入っているという一冊だ!

「多方面にわたる珠玉作を一巻に収め、その魅力のすべてを溶かしこんだ画期的編集!」

と、裏表紙に書いてあるという、出版社が自画自賛しているほど気合いの入った文庫本なのだ!

 

お父さんは灯りはつけず、暗い部屋の上下を自由に歩き、高い洋服箪笥の上に腰かけて、外套の裾を垂らして、ずっと部屋の中を見廻していました。ここまで上っておいで、とお父さんは言いましたが、僕は断わって、暗い壁掛のほうへ近寄りました。そして、ほとんどボロボロになっている壁掛の端を引きちぎって巻き、それにマッチで火をつけて、口にくわえました。ここの家で出されたどの煙草よりもおいしい煙草で、僕はやめられなくなって、片端から煙にしてしまいました。次いであの人の洋服箪笥をあけると、外套や着物がいっぱい下っていたので、それも喫んでしまいました。部屋の中は気持のよい煙でいっぱいでした。お父さんがその煙を暖炉へみんな追い込んでくれたので、窓から洩れたりすることはなかったのですが。

 

ちなみに「仲間」は、第一部「小説」の最後で、かつ第二部「エッセイ」の「谷崎潤一郎について」の前という好ポジションに位置している!

 

*こちら↑も合わせてどうぞ。


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