「穴」というタイトルの映画がいろいろあるので、
どれを観ていいのか迷ってしまう!
悩んでしまう!
苦しんでしまう!
そんな声を耳にしてはいないものの、興味を感じたので未見の三作品を整理しつつ、わざとらしく順位をつけてみた!
ちなみに自分が観たことのある「穴」は、これだ!
男女高校生4人が行方不明になったが、ひとりの女生徒リズだけが傷だらけで戻った。依然行方不明の3人のうち、ひとりはリズの片思いの男の子。あとのふたりはリズの親友とそのボーイフレンドだった。彼女は事件を回想していくが、そこには邪悪な罠が仕掛けられていた。
『アメリカン・ビューティー』、『ゴースト・ワールド』など、出演作を重ねるたびに評価を上げていくソーラ・バーチ主演作。屈折したティーン役は彼女の十八番だが、本作ではエスカレートした恋心が邪悪な一面を引き出してしまうという難しいキャラクターを熱演。バーチの演技により、少女の歪んだ心の闇を描いた、毒のある青春ミステリーとして印象深い作品になった。(斎藤 香)
ちなみに原題は『AFTER THE HOLE』!!
この「穴」以外の「穴」から選んだ、
第三位は!
「穴」だ!
原題は「Holes」!
無実の罪で更正施設送りとなった少年スタンリー(シア・ラビオフ)が、そこで最初に眼にしたもの。それは乾いた大地に掘られた無数の穴たちであった。施設の少年たちは、所長(シガーニー・ウィーヴァー)の命令で、毎日なぜか穴ばかり掘らされている。やがて、その穴の秘密にはスタンリーの家に代々伝わる呪いとも関わりがあることがわかり…。
ルイス・サッカーによる全米図書賞など受賞のベストセラー小説を本人の脚色、『逃亡者』などのアンドリュー・デイヴィス監督のメガホンで映画化した冒険ミステリ映画。穴にまつわる真相そのものは観てのお楽しみだが、カメラや音楽を含めて全編のタッチが一見ユーモラスではあれどこかドライで、黒人差別の歴史にも触れているあたり、いわゆるファミリー映画的な温かみとは一線を画している。
キャストもS・ウィーヴァーをはじめジョン・ヴォイト、パトリシア・アークエット、ティム・ブレイク・ネルソン、ヘンリー・ウィンクラーなど実に豪華で、大人の鑑賞にも十分堪える出来栄えの娯楽作である。(的田也寸志)
ちなみに、原作が翻訳で出ている!
続いて第二位!
邦画の「穴」だ!
市川崑監督のユニークなセンスあふれる娯楽映画の決定版。
京マチ子の七変化がゴージャス!
ルポライターの北長子は、自ら一ヶ月間の失踪騒動を起こしてそのルポを書き、さらに長子を捜すという懸賞を募集する、という企画を週刊誌に売り込みに行く。
一方、預金横領の銀行家が長子を犯人に仕立てようと企み、事態は思わぬ方向へ……。
これは普通に面白そうな感じが出ている!
ちなみに市川崑監督の「東京オリンピック」も9月に発売されるぞ!
さあ、
いよいよ、
第一位は!
ジャック・ベッケルの「穴」だ!
原題は「LE TROU」!
ジャック・ベッケルの遺作にして最高傑作!
パリのラ・サンテ刑務所。
その中でもとりわけ厳重な警戒が敷かれている牢獄に、ガスパールという男が入所してくる。
そこには最年長のリーダー格のボスラン、脱獄のプロのロラン、無愛想なマニュ、そして女たらしのジョーという4人の個性豊かな男たちがいた。
彼らは独房の地下へと穴を掘り進める脱獄計画を立てており、ガスパールを警戒していたものの、話し合いの結果彼を仲間に迎え入れる。
こうして、ガスパールを含めた5人の男たちはひたすら穴を掘り進める・・・。
『現金(げんなま)に手を出すな』『肉体の冠』など数多くの名作を発表したジャック・ベッケルの遺作となった本作。
実際に起こった脱獄事件をモチーフに強烈な陰影、
音響効果をストイックなまでに突き詰めた演出で息が詰まるほどの緊張感を生み出す脱獄映画の傑作。
これは本当に名作らしい香りが漂ってくる「穴」だ!
ぜひ、ドキドキハラハラしてみたい!